2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧
Louden (1986) Kant’s Virtue Ethics 今回紹介するラウデンの論文は、カント倫理学が徳をどのように問題にしていたのかを、義務論倫理学の体系を守りながらも積極的に論じているバランスのよい論文である。最近翻訳が出版されたオニールの『理性の構成』に所…
Barbara Herman, The Practice of Moral Judgment. Cambridge, Haward University Press, 1996, pp. 73-93より。 ハーマンのこの論文は、格率の普遍化テストを意味あるものにするためには、状況に対する感受性が行為者に内面化されていなければならないと主…
ここでは、Timmermann (2016) の „Kant Über Mitleidenschaft“を紹介する。これはKant-Studien,107 (4), pp.729-732に収められた短い論考である。Mitleidenschaftというドイツ語は、翻訳者たちは見過ごしてきた馴染みがない表現 (ungewöhnliche Ausdruck) で…
英語圏やドイツ語圏のカント倫理学研究を独断と偏見で選定し紹介する試みを始めます。ほんの少しでもカント倫理学に関心のある方の参考になれば幸いです。 これは、Bittner (2001) "Doing Things for Reasons"の第三章「原理に基づいて行為すること」(Acting…