哲学なんて知らないはやくん

哲学なんて知らない学生が、哲学の話をします。

アーレント

誕生日を祝うことの存在論的意味

[Initium] ergo ut esset, creatus est homo, ante quem nemo fuit. 始まりが存在せんがために人間は創られたのであり、それ以前には誰も存在しなかった。 人間は幸か不幸か、この世界に誕生する存在です。私も含め、これを読んでくれているみなさんも、数年…

『人間の条件』(5章24-28節) 読解

テキストとしてはちくま学芸文庫の志水速雄訳を用いる。pluralityの訳語は「多数性」となっているが、「複数性」を採用する。それ以外は志水訳のままである。 複数性と現われ アーレントにとって最重要タームである「複数性 plurality」が、活動と言論が成立…

思考の始まり:アーレントとハイデガー

アーレントは『精神の生活』第一部思考において、思考の始まりについての議論を展開している。それは『精神の生活』第三章が「我々が思考をするのは何によってであるか」と題名づけられていることからも、アーレントにとって中心的問題の一つであったことは…

時間を感じるということ

なぜなら時間とは、生きるということ、そのものだからです。そして人のいのちは心を住みかとしているからです。(ミヒャエル・エンデ『モモ』より) 時計の時間、私の時間 私たちはつねに時間の流れを感じて生きています。それはどのようにして感じているで…

多様性への問い

コロナウイルスのせいで三月の予定が狂いまくって困っているはやくんです。 今回は、みんな大好き(?)「多様性」について考察した文章になります。学術的な分析というわけではなく、昨今の多様性偏重の社会のなかで感じたことを、少し哲学の観点を取り入れつ…